「あの頃のように、大好物をしっかりと味わいたい・・・」 「見た目が美しく、負担の少ない総入れ歯が欲しい・・・」
そんなご要望にお応え出来るのは、スウェーデン入れ歯の “インプラント総入れ歯”(=インプラント オーバーデンチャー)です。
当専門外来がお勧めするのはインプラントオーバーデンチャーと呼ばれる、下顎に2本〜4本のインプラントを植立し、これにより支えられる総義歯です。
手術の侵襲が少なく、身体に優しいのが特徴の取り外し式のインプラント義歯です。入れ歯がとてもしっかりするのでより噛みやすく、入れ歯の違和感も軽減され、人工歯排列の自由度が大きいことから審美性の回復にも優れています。
〜 インプラント総入れ歯の優れた特長 〜
・インプラント植立領域は神経が走行していない安全な部位である(=神経損傷のリスクが
少ない)。
・インプラントの植立が2〜4本と少ないため、身体に優しい。
・取り外し式なので極めて衛生的。
・入れ歯の動揺が少なく、しっかりと噛みやすく違和感も少ない。
・義歯床のふくらみ調節で顔つきの回復など、審美性の回復に非常に優れている。
・使用インプラントが少数なのでローコスト。
歯科インプラントは、1970年代からスウェーデン・スイス・ドイツ等で開発され発展してきました(図1)が、本来対象としていたのはすべての歯を失った患者様でした。
今日我が国においても総入れ歯を回避して歯科インプラントを希望するケースも次第に増加しています。
方法には2種類あり、一つは数本のインプラントを顎骨に植立してブリッジで修復する方法(一本の歯に対して一本のブリッジ=歯の本数分ブリッジが必要)。もう一つは下顎に2本のインプラントを植立し、そこに総入れ歯を固定することにより、噛む力を支え、総入れ歯の維持・安定を得る方法です。
当専門外来「スウェーデン入れ歯」がお奨めするのは後者の方法、インプラントオーバーデンチャー(IOD)と呼ばれる下顎に2本〜4本のインプラントを植立し、これにより支えられる総入れ歯です。
2002年、カナダ モントリオールの大学において、インプラント専門家による国際ミーテングが開催され、そこで「下顎に植立した2本のインプラントで支える総入れ歯(Two-Implant Overdenture)」の優位性を示す提言が発表されました。そのレポートでは、下顎無歯顎に対する治療の第一選択肢はもはや従来の総義歯ではなく「Two-Implant Overdenture」であるとされ、このセオリーは現在世界標準(グローバルスタンダード)と考えられています。
その特徴とは、
・インプラント植立領域は神経が走行していない安全な部位である(図2)。
・植立するインプラントが2〜4本と少ないため手術による生体への侵襲が少なく、身体に
優しい。
・取り外し式なので極めて衛生的。
・入れ歯とインプラントは特殊な維持装置で連結(ブリッジ)されるので、入れ歯の動揺が
少なく、しっかりと噛みやすく、違和感も少ない。
・入れ歯の人工歯の排列は自由度が大きく、義歯床のふくらみの調節で顔相の回復が可能で、
審美性の回復に非常に優れている。
・使用インプラントが少数なのでローコストにできる。
インプラントと天然歯の違い
インプラントに支持された入れ歯による“噛む”(=咀嚼)機能は、天然歯の“噛む”(=咀嚼)機能とまったく同じになることはできません。つまり、歯根膜(※1)が無いインプラントでは咀嚼運動の微妙な調節と、歯に加わる力を和らげる作用が無く、生理学的ならびに生物力学的に天然歯とは大きく異なるからです。
※1、歯根膜:歯を歯槽骨に繋ぎ止めている懸架組織
図1 咀嚼系 | 図2 Brill原図(咀嚼系) |
歯根膜の感覚受容器で認識された圧・触覚感覚は、咀嚼系の神経と連携して、円滑な咀嚼運動のコントロールを助けます。一方、感覚受容器である歯根膜のないインプラントでは、その咀嚼や噛み合わせ機能が人体にどの様な影響を及ぼすのか、その神経生理学的背景は現在も十分には明らかになっていません。
インプラントの人体への影響に関わる因子は多数考えられ、スウェーデンのブローネマルク教授は“安全な治療術式を確立させるハード・ウエアとソフトウエアに基づいた臨床的再建システムを構築することがきわめて重要である”と述べています。
そのような考えに従って、当専門外来「スウェーデン入れ歯」がお奨めするのが、インプラントと粘膜によって支持される「インプラントオーバーデンチャー(IOD)(=インプラント総入れ歯)」です。
これは「McGillコンセンサス」に基づいた構成で、噛む力は下顎に埋入(植立)された2本のインプラントと上下顎の粘膜とによって支持されます。このことが、インプラントだけに支持されるインプラントブリッジとはまったく異なる点で、その咀嚼のメカニズムは生理学的な観点からも根本的に異なります。粘膜に存在する感覚受容器からの情報も咀嚼運動のコントロールの助けとなり、入れ歯を介する適切な粘膜への機能的負荷は、歯槽骨の吸収を抑制できると考えられています。
すなわち「インプラントオーバーデンチャー(IOD)」は、感覚が鋭敏な歯根膜がなくなった顎においても、残された粘膜感覚がこれを代償すると考えられます。そのような観点から、残された人間の生理機構をより有効に活用した入れ歯であると考えることができ、このインプラントで支えられた総入れ歯でしっかり噛める事のメリットはきわめて大きいのです。